講師派遣報告/第53回建築総合展NAGOYA (公社)愛知建築士会まちづくり委員会福祉部会セミナー『色覚の多様性とカラーユニバーサルデザイン ~色弱者に対応した色彩計画とは?』

本セミナーは、(公社)愛知建築士会まちづくり委員会福祉部会・内藤恵子氏より依頼を受け、第53回建築総合展NAGOYA セミナーとして実施したものです。

概要

開催日時 2024年6月28日(金) 10:30~12:00
場所 ウインクあいち(愛知県産業労働センター) 9階 901号室
名古屋市中村区名駅4−4−38
主催 公益社団法人 愛知建築士会 まちづくり委員会福祉部会
担当:池田園子氏(部会長)・内藤恵子氏(部会員/人にやさしい色づかいをすすめる会会員)
受講者数 35名
対象者 (公社)愛知建築士会会員、非会員
講師
  • 富永さかえ(NPO人にやさしい色づかいをすすめる会 代表)
  • 片岡晴彦(同 サポーター)
目的 サイン計画だけでなく、建物を通して情報を伝える事がある建築士は、色覚の違いで社会的「弱者」となる人を作り出さない様にする役目がある。今回は色弱者がどのような色の世界で生きているかを、基礎を学び、当事者からのお話し、色弱体験などを通して理解を深める。(主催者)
テーマ 色覚の多様性とカラーユニバーサルデザイン(CUD)~色弱者に対応した色彩計画とは?
内容(セミナーの流れ)
  1. 色覚の多様性理解(当事者の談話・色弱模擬体験含む)
    • ヒトの主な色覚タイプと錐体の特徴
    • 色弱者の存在 遺伝子による/加齢や疾病による
    • 色覚シミュレーションツールの紹介 バリアントール・色のシミュレータ
    • CUD疑似変換(シミュレーション)の原理
    • 色弱当事者の談話
    • 色弱模擬体験 バリアントールを使った50色の色紙分類
    • 当事者による分類結果のシェアと質疑応答
    • まとめ/P型D型の見え方の主な特徴(C型との比較)
  2. CUDの知識(基礎知識・実践事例)
    • CUDの3つのポイント
    • 見分けやすい配色の選び方
    • 背景色と文字や図の色 明暗(コントラスト)
    • 目立つ色/黒文字の中の強調文字や校正ぺんの色
    • 配色の注意点と色以外の工夫
    • 色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする
    • CUD事例/ 案内・指示や規制サイン・トイレ・階段の段ばな・病院のサインデザイン他
    • CUDの視点でチェック事例
    • まとめ/ CUDの実践・参考資料
    • おわりに/ NPO人にやさしい色づかいをすすめる会 活動紹介

講師感想

当日は建築士の方だけでなく、看板、サイン等広告業務の企画・設計・施工・保守管理、景観資材専門メーカー等、建築士以外の方もご参加いただけました。セミナーに対する評価としては、アンケート(集計結果をPDF資料として添付しています)問4.「今回のセミナーは、あなたにとって有益でしたか」の回答では「非常に有益だった」「まあまあ有益だった」が97%、問6.「今回のセミナーは、理解できましたか」の回答では「わかりやすかった」「だいたいわかった」が100%だったことから、一定の評価をいただいたと思っています。一方で、問7.「その他の感想」(自由記述欄)では、「詳しい話を聞けて意義深かったが、より実路・実践的な配色や実例をもう少し知りたかった。」や「建築としてもう少し具体的な対策を例示していただければよかったと思います。」のご意見がありました。こうしたご意見はひじょうに参考になり今後の課題として、工夫を重ねていきます。なお、記述欄の中には「少なくともサインデザイン、知らせる情報には見分けられることをミッションとして社会が認識しなければと思った。」という内容や建築にCUDを役立てたいとのコメントもいただけました。セミナーを機会に愛知建築士会福祉部会様を中心にCUDが普及推進されるのではないかと期待しています。改めまして、主催者公益社団法人 愛知建築士会 まちづくり委員会福祉部会様に建築総合展NAGOYAという歴史あるイベントにおいて、CUDセミナーの機会をいただき感謝申し上げますと共に、当日ご参加くださいました皆様方に御礼を申し上げます。

以上 (2024/08/07 作成)

資料

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