今回は、ソレイユプラザなごや(名古屋市中区)にて、「教育現場のCUD普及啓発を考える」を開催しました。
概要
イベント名称 | 会員活動/CUDミーティング006「教育現場のCUD普及啓発を考える」 |
開催日時 | 2024年4月21日(日) 13:30~15:30 |
場所 | ソレイユプラザなごや(名古屋市中区) https://www.jinken.city.nagoya.jp/ |
主催 | NPO人にやさしい色づかいをすすめる会 |
参加人数 | 10名(会員限定/P型2名・D型4名・C型4名) |
内容 | 第一部
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報告
NPO人にやさしい色づかいをすすめる会は、2024年4月21日(日)午後、会員イベント「教育現場のCUD普及啓発を考える」を行いました。第一部では、会員T氏から、「色弱の子どもを持つ保護者として採点用筆記具の困り事解決事例と問題提起」をプレゼンしていただきました。具体的には、まず、テスト用紙や教材など多くの画像と共に、自身のお子さんが採点ペンの赤色が見えにくい、先生の添削の赤文字を見落とす等の例を分かりやすく説明されました。その後、解決策として、当会と共に学校訪問しお子さんの見え方やカラーユニバーサルデザイン(CUD)の色づかいについて直接お伝えする機会を得たこと、理解も得られた結果、見分けやすいオレンジや青色が使用されるケースが見られるようになったとの報告がありました。しかし、教科によってまだ改善がみられないものも多く、学校全体でCUDが当たり前になるにはまだまだ難しいのではないかとの問題提起もありました。
続いて事務局から、「教員が使用する採点ペンの実態について」会員から得られた取材結果を報告しました。取材は当会のCUD普及活動グループ団体の1つである北海道カラーユニバーサルデザイン機構からも協力いただきました。全体として得られた取材サンプルは多くありませんでしたが、採点ペンは赤が使われていることが多く、学校で支給しているところもありました。続いて「採点・添削用筆記具おすすめの色について」紹介しました。おすすめの色は、文具量販店で一般的に購入できる製品の中からP型強度1名、D型強度5名、C型3名により調査チェックを重ねて得られたものを一覧表にしました。T氏のお子さんが通う学校へも提出させていただきました。オレンジ系、明るい青系がおすすめ(濃い青は黒色と見分けづらくなる)で、ボールペンは芯の太さに注意が必要、細いと見分けづらくなるので0.5㎜以上が見やすいとの結果です。
第二部では、教員の採点用筆記具の色について、おすすめの色のペンを皆さんで実際に書いて見やすいかを確認しました。またどのようにしたら採点用筆記具の色をはじめ、教育現場でCUDが普及するのか「教育現場のCUD普及啓発のあり方」についてディスカッションをしました。会員の認識としては、教員の多くが色弱の子どもの見え方や困りごとについて知識のないことが問題であり、知識を持ちCUDの必要性に気づいてもらう機会を作っていくことが大事というものです。どのようにその機会を作るかが課題です。終了後は懇親会を行いました。会員による恒例のマジックの披露に盛り上がりました。
参加者の感想
- T氏の発表は大変分かりやすく、しかもどのペンを使ったら見やすいかまで探してくださっていて素晴らしいと思いました。この事をどのように先生方にお伝えするかが難しい事も知りました。小中学校の色弱の子供を持つ親御さんが、この会に増えるといいなと思いました。Tさんのように、先生方にお話しして、少しずつでもオレンジ色のペンで採点してくださる先生が増えるといいなと思います。私も知っていたら先生にお願い出来ていたと思います。(色弱の子どもの保護者)
- 学校に通う色弱の子どもを持つ保護者の方がもっと多く会員になってくださって、CUDの知識を持っていただきたいです。そして先生方へ伝えながら学校と共にCUDに取組む事例を増やしていけると良いと思いました。(C型)
- 有意義なお時間をいただきありがとうございました。ひさしぶりの対面ミーティングでzoomとは違い肌でいろいろ感じることができました。同じ色覚タイプの方、他のタイプの方との交流は色弱当事者として励みになりましたが反面、自分が色に固執したり正しい?色の名称を求め過ぎていることに気づきました。今後も対面での交流が増えると嬉しく思います。(P型強度)
2024/05/03作成