高等教育コンソーシアムみえが三重県から2019年度に受託した事業「高等教育機関と連携したダイバーシティに関する講座等企画・運営業務」の一環として実施しました。
概要
派遣日時 | 2020年1月14日(火) 16:30-17:50 |
場所 | 鈴鹿大学 (三重県鈴鹿市) B棟302講義室 |
主催 | 鈴鹿大学こども教育学部 川又俊則 教授(鈴鹿大学・短期大学部副学長・こども教育学部長) 高等教育コンソーシアムみえ受託事業「令和元年度 高等教育機関と連携したダイバーシティに関する講座」 |
対象 | 鈴鹿大学こども教育学部養護教育学専攻1年生 「教職概論」受講者13名他 |
講師 | 林 羊歯代 (NPO人にやさしい色づかいをすすめる会 世話人) |
目的 | ワークショップを通して色覚の多様性について理解を深め、カラーユニバーサルデザイン(CUD)の 必要性を認識するとともに、CUD の普及促進を目的とする。 |
テーマ | 学校教育と色覚――色覚の多様性を理解する |
内容 | 講座の流れ
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外部リンク |
講座の趣旨および内容
本講座は、高等教育コンソーシアムみえ(*1)が三重県から2019年度に受託した事業「高等教育機関と連携したダイバーシティに関する講座等企画・運営業務」の一環として行われました。2019年10月~2020年1月までに、鈴鹿大学、三重大学と皇學館大学の3大学で計9回の「ダイバーシティに関する授業」と2回の「ダイバーシティ公開講座」が実施され、本講座は鈴鹿大学で行われた3回の授業のうちの一つに相当します(第3回)。
三重県では2017年12月に「ダイバーシティみえ推進方針~ともにきらり輝く、多様な社会へ」が策定され、県の環境生活部ダイバーシティ社会推進課が中心となり、多様な人びとが自分らしく参画・活躍できるダイバーシティ社会の実現に向けて様々な施策が打ち出され、高等教育コンソーシアムみえが受託した事業は、その取り組みの一つといえます。
色覚を切り口にダイバーシティについて考え、当会の存在に目を向けてくださったのは、鈴鹿大学の講座担当者である川又俊則教授でした。川又教授は、ある研修会で北海道CUDO副理事長の栗田正樹氏の講演を聴き、カラーユニバーサルデザインに関心をもたれたそうです。川又教授ご自身の講座(第1回)でも、「性の多様性」と「発達の多様性・外国につながる子らとの共生」とともに「色覚の多様性」を取り上げられ、その延長にわれわれの講座が位置づけられました。
講座の内容として、養護教諭を目指す学生さんが対象であることから、まず色覚の多様性を理解していただくための色弱者の見え方体験(バリアントール使用)を入れました。そして学校での色覚検査の歴史や検査の是非をめぐる論点について解説し、関連する映像資料(「報道特集」、CBCテレビ、2017/12/09放送)を観せ、問題の深さと拡がりを意識してもらいました。最後に、カラーユニバーサルデザインがダイバーシティ社会の推進にどう関わっていくのか問いかけ、いくつかの事例も紹介し、まとめとしました。
なお講座の内容は鈴鹿大学のホームページでも紹介され(上の外部リンクを参照),また高等教育コンソーシアムみえ監修・発行の『2019ダイバーシティみえ報告書』(2020年3月発行)(*2)においてもスライド(抜粋)が掲載されています。
*1) 三重県内の高等教育機関相互および地域との連携を促進することで、教育、研究、地域貢献機能の向上を図り、人口減少抑制と地域の活性化を実現することを目的として2016年に創設された組織。
*2) 3大学で行われたダイバーシティに関する9講座と2つの公開講座について,それぞれ講師が提供した発表用スライドや配付資料等を集めた報告集,DVD版もある。当会の講座は報告集のpp.108-133を参照。鈴鹿大学より報告書2部とDVD2枚が当会に寄贈されました。
受講者の感想
この講座をコーディネートしてくださった鈴鹿大学の川又俊則教授に,受講した学生さん13人が後日提出した感想や気づきを見せていただきました。色覚検査の是非を問う報道番組が強い印象を与えたようで,それについて触れた人がたくさんいます。養護教諭を目指す学生さんには,将来自分たちが直接関わる問題として捉えられたようでした。ダイバーシティ社会の実現にまで踏み込んだ深い考察もあります。
学生さんと川又教授の許諾を得て,公開を前提に全員分をほぼそのまま転載した感想集を作成しましたので,添付ファイルをご覧ください。記して感謝申し上げます。