学生たちはCUDに配慮した制作を行い、授業の最終回に、制作物についてのプレゼンを行った。プレゼンでは、制作物を色弱者に確認してもらい、CUDへの配慮という観点でアドバイスを受けた。
概要
人にやさしい色づかいをすすめる会は、トライデントデザイン専門学校の学生に、CUDに配慮した制作について講義を行った。 2020年度下半期の授業の最初の回にCUDについての概要を講義した(→開催報告はこちら )。学生たちはCUDに配慮した制作を行い、授業の最終回に、制作物についてのプレゼンを行った。プレゼンには当会の会員4名(うち色弱者1名)が参加し、制作物に対して、CUDの観点から評価・アドバイスを行った。
派遣日時 | 2021年1月25日(月) 14:00~16:00 |
場所 | トライデントデザイン専門学校 |
主催 | トライデントデザイン専門学校 総合デザイン学科 ビジュアルデザインコース |
受講者 | トライデントデザイン専門学校 総合デザイン学科2年生 |
講師 | 水野史土 |
テーマ | CUDに配慮した制作の実践 |
内容 |
学生のプレゼン(5グループ)
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講座の内容
学生たちは授業の最初の回にCUDについて学び、制作物を作成した。制作中は、色弱者の見え方をシミュレーションする模擬フィルタやアプリを活用した。
授業の最終回のプレゼンでは、制作物を色弱者に確認してもらい、CUDへの配慮という観点でアドバイスを受けた。色弱者の感想・評価を直接聞ける貴重な機会となった。
学生の感想
- CUD についての課題を進める上で、まず私は CUD とは何かが分からない状態でした。 それから授業を通して CUD についてや色について知っていくうちに、 自分が普段特に気にせずに過ごしている毎日は、 誰かにとっては少し過ごしにくいのかも知れない、と気付かれされました。 そして、周りは色んな人に向けたたくさんの配慮がされているということも知りました。
- 今回自分が CUD の授業を通しての感想は想像よりも大変だったです。いざ意識して制作をしようにも普段見えている物を見え方が違う方にも分かりやすく、かつ一般の人にも違和感なく使ったりできる物を制作しないといけなといった点がとても大変でした。また、CUD に配慮されてるものはどんなのがあるのか調べたときに海外で発売されてるとあるメガネの動画に行き着きました。そのメガネは色弱の方がメガネをつけると色が見えるようになるという物でした。海外の動画でしたので会話などは分からなかったんですがそのメガネをつけた方々は皆感動していたのがとても印象的な動画でした。自分はこの動画を見て色が見えない生活を送っているのはとても大変なのだなと改めて実感しました。この動画今回の授業で得たことを今後のに生かしてデザインしていこうと思います。
- 私は今回の授業を通してデザインの大切さをより理解しました。 今までデザイン一つに人の命が関わっているなどと考えたこともありませんでした。しかし、一般的な見え方とは異なる見え方の方々が居る。自分たちの当たり前が当たり前ではない事を知りました。その上でデザインを考えるのはとても難しい事でした。ですがカラーユニバーサルを意識したデザインをしたところ今までには無い達成感がありました。それは今まで意識して作成していた美しいビジュアルなどを作るのとは違う。誰かを思う喜びがありました。なのでこれからはカラーユニバーサルデザインに今回の思い。この二つを忘れずにデザインに取り組んでいこうと思います。ありがとうございました。
- CUD の授業を終えて感じたのは、全ての人に見分けが付けやすいデザインをすることの大事さです。命に関わる関わらない関係無しに全ての人に見えるようにする事でストレスフリーな社会になると思いました。ただ、気にしすぎると、綺麗な色とは言えなくなる色になっていくから気をつけないといけない。また、チェックカタログを作ってみて、まだ全ての会社でCUDが浸透している訳ではないと感じました。
- CUD の制作を行うにあたって、テーマを考える時に、自分の家の中、お店の中などをみていると、 意外と身近なところに改善ができていない場所があることに驚きました。今回絵本を作成する時に、 一番大変だったのが、絵本の製本作業です。必要なものの準備や、絵本にふさわしい紙探しなど、 絵本をつくることが初めてだったので、大変でした。また、子供にわかりやすいように作ること、 共通認識のものを探すのに苦労しました。今回の授業で、どんな人でも見えるデザインを考えることはすごく難しいと感じました。しかし今後も CUD を意識したデザインを作り、どんな人でも見えるデザインを作りたいです。
- 今回実際に CUD の現物を作った際に思ったことは CUD に配慮されている公共施設が思ったより少なく、私がテーマを決めるために調べた時に、小学校はまだ CUD に配慮されていないのを知り、驚きました。また現物の使用用途と CUD の兼ね合いの難しさをとても感じました。商品として求められるイメージや配色と色弱の方への配慮のバランスがとても大変でした。以上のことから今回の授業で CUD に配慮する難しさと、普及の必要性を学ぶことができました。
- 私はこの授業を終えて色覚異常の方々の大変さを知りました。色の見える範囲が狭く色が判別しにくいのだとアプリを通して見た時、そして当事者の方々にプレゼンテーションをしたり聞いたりして改めて実感しました。歯磨き粉のプレゼンテーションの評価が良かったのは驚きでした。頑張って作ったもののあれだけ評価されるとは思っていませんでした。 頑張ってよかったなと思いました。これからも少しずつ CUD に配慮したデザインが出来ればいいなと思います。
- cud のことは今まで存在は知っていたのですが、ud と同じような括りで考えていました。 しかし今回 cud に対応したものを作る上で、これでは cud ではなく ud になっている…といった同じように考えていたことによる失敗を経験しました。 色覚異常の人たちがどんなことで困っているのか、を初めて考える機会になり大変ではありましたが、学んだことは多くあったなと思っています。 プレゼンテーションをした際に頂いたアドバイスを今後に活かしていきたいです。
- CUD の授業を受ける前は CUD という言葉を全く知りませんでしたが今回の課題を通してCUD がいかに重要なのかを知りました。実制作では教科書の改善をするにあたりたくさんの教科書を調べましたが、まだ改善されていない教科書も存在しており、まだ CUD は普及されていないと感じました。今回の授業を通して CUD に対応したデザインをたくさん取り入れ、誰もが暮らしやすい環境になるよう今後 CUD について考えながらデザインしていきたいです。
- 今回色の CUD について学び、デザインをしたことで様々な気づきがありました。まず、 色覚について深く考えたことがなかったので色が見えないのがどういうことなのか、色のシミュレで擬似体験をすることにより知ることができました。これらのことを授業を通して知ることができて良かったです。また、色覚異常や CUD について学んでいることを家族に話した時、深く知らない様子だったので世間一般への広まりの少なさを知りました。 以上の学びや気づきを得て、今後のデザインでは色選びや見え方の様々についてもっと工夫を凝らしたり、色覚や CUD のことを周りの身近な人に話して広めていくことができると思います。
- 今回のカラーユニバーサルデザインの課題を通して、色に関することで困っている方がいることを知り、改めて世の中にはたくさんのハンディキャップを抱えている方がいることを実感しました。全ての人のために平等になる世界は難しいかもしれませんが、今回の課題のように自分たちのアイデア・力で助かる人が少しでも増えたら、私たちのようにデザインを学ぶ者としてはとても嬉しいことだと思いました。
- 先日はお忙しい中、会を開催して頂きありがとうございました。CUD を学んでいく中でどれだけ色彩が無いと不便なのかを知りました。 色が私たちを楽しくさせ、ワクワクさせ、感情を豊かにする。私たちが生活する上で当たり前のはずのものが無い方々がいる。 そんな方々の日常を少しでも豊かにすることが私たちデザイナーの仕事であり務めだと感じました。
- 私はこの授業に取り組む以前に、CUD の会の講演を聞く機会がありました。その時は難しかったけれど勉強になったなと感じましたが、いざ自分が CUD を意識してデザインをするとなると、自分の勉強不足を感じたり意識しなければならないことが多くあることに改めて気付きました。約半年間 CUD について学び、当事者の方のお話を聞き、自分なりに様々な考えを広げられるとても良い機会だったと思います。ありがとうございました。
- 初めカラーユニバーサルデザインについて何かはまったく知らなくて、 話を聞いていく上で、一般の方とは色の見え方が異なる方がいらっしゃるのがわかり中でも、いろんなタイプの方がいらっしゃるのも知りました。 アプリや専用のメガネを通して私自身も実際に体験してみて、色の判断がしずらく、 とても大変でした。今後どんな方でも適したデザインを作って行こうと思いました。
- 今回の課題を通して世の中には様々な色覚の人がおり身の周りに溢れる色で苦しんでる人、悩んでる人が沢山いることを改めて実感をしました。 「全ての人が使いやすく」というテーマ、単純な言葉ですがとても難しいことだとわかりました。ですが諦めることはせずこれからも色について学び理解を深めていきたいと思います。
当日の写真
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