NPO 法人カラーユニバーサルデザイン機構事務局より井上和美様をお招きし、色弱者と接してきた経験を生かし、色弱の子どもを持つ保護者や教育関係者の色覚に関わる相談のサポートを行う立場から、「色弱の幼児の対応とカラーユニバーサルデザイン」をテーマとして語っていただきました。
概要
イベント名称 | 第12回CUD勉強会「色弱の幼児の対応とカラーユニバーサルデザイン」 |
実施日 | 2021年3月13日(土) 13:00-14:35 |
方法 | zoom オンライン方式 |
主催 | NPO人にやさしい色づかいをすすめる会 |
講師・プロフィール | 井上 和美 (いのうえ かずみ) 氏 (NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構事務局) |
2007 年よりカラーユニバーサルデザイン機構のスタッフとして CUD 普及活動を行う。現在は、色弱の お子さんをもつご家族勉強会の開催やサポートを行う。『色弱の子どもがわかる本』、『考えよう 学校のカ ラーユニバーサルデザイン』や「正しい色覚検査のための実施マニュアル(DVD)」の制作に携わるほか、 「CUD1日3問クイズ」や「多様な色覚の美しい世界アート展」などを企画・担当する。 | |
対象 | 人にやさしい色づかいをすすめる会会員、カラーユニバーサルデザインや色覚多様性について興味・関心をお持ちの方 |
参加費 | 無料 |
参加者 | 36名 |
内容 | NPO 法人カラーユニバーサルデザイン機構事務局の井上和美氏による「色弱の幼児の対応とカラーユニ バーサルデザイン」をテーマとした講演会。井上氏は組織運営に携わるとともに,長年にわたり色弱の子ど もを持つ保護者や教育関係者の悩み相談に寄り添ってこられたCUDのエキスパートです。その経験から得 た知見をもとに,色弱の幼児がどのようなシーンで困るのか,それにどう対応すべきなのかを中心テーマ として,色覚の多様性を知ることの重要性と,CUDのポイントについて語られました。親しみやすいオリジ ナルのイラストを使った,ひじょうにわかりやすいスライドが好評でした。 |
講師からのコメント | 幼児期は、子どもの色の感じ方が安定し、物と色と色の名前を結びつけてゆく時期。けれど、色の感じ方(色覚)は、血液型のようにいくつかの型があって、色の世界は異なります。子ども自身、そのことに気づきにくいので、大人は色覚の最新の知識をおさえ子どもの安全を守り、好きなことを楽しめるようにサポートしていただければと思います。色覚のこと、カラーユニバーサルデザインのことをまったく知らない方も、参加しやすい内容です |
まとめ
愛知県でカラーユニバーサルデザイン(CUD)をひろめる活動をしている私たちNPO人にやさしい色づかいをすすめる会は、CUDについて、関係する各界の専門家にわかりやすく語っていただく講演会を企画してきました。昨年(2020)春以降,新型コロナウイルス感染防止のため対面での活動をすべて休止し,今回の講演会も初めてオンライン形式で開催する運びとなりました。今回はNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の井上和美氏が講師です。東京のご自宅からオンラインで「色弱の幼児の対応とカラーユニバーサルデザイン」について,色覚の基礎からCUDの具体的な実践方法を含めて,わかりやすく語っていただきました。
講演内容につきましては,添付の資料「第12回CUD勉強会『色弱の幼児の対応とカラーユニバーサルデザイン』講演概要」をご覧ください。この概要の他に,資料「第12回CUD勉強会参加者質問と回答」を添付しておりますが,これは参加申し込みの際にいただいた事前質問と講演中にあった質問に対し,井上氏から後日届いた回答です。ぜひこちらもご一読ください。「Q1.もし自分に色弱の子供がいた場合、その子供が色弱であることをその子供に教えた方がいいのでしょうか。それとも教えずに自覚するまで待った方がいいのでしょうか」や,「Q2. 多様な色覚をもつ子どもたちが色の世界に触れ、それぞれが色彩表現を楽しめるような工夫について、お伺いしたいです」といった質問に,ひとつひとつ丁寧に答えておられます。これはひじょうに参考になります。
ところで,講演途中に東京では激しい雷雨があったようで,通信トラブルのためスライドの画面共有が数分間にわたりストップするアクシデントがありました。オンライン形式の開催が初めてということもあり,主催者側の経験不足から,参加者の皆様にはたいへんご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。しかしながらこの経験を活かし,今後はより充実した勉強会を皆様にお届けできるように努めてまいります。
アンケートには参加者36人のうち22人が回答(回答率61%),オンライン形式の開催運営(Q3)については「ひじょうに満足」と「満足」で72%とまずまずの評価であったものの,「やや不満」と「おおいに不満」も10%おり課題を残しました。画面共有がストップした際の対応の拙さ(通信トラブルへの対策不足)と,それに伴う終了時刻の遅れが指摘されたことで(Q4),その後,備えの姿勢をしっかりと身につけることができたように感じます。
一方,講演内容の満足度(Q5)については「ひじょうに有意義だった」と「有意義だった」で91%と高い評価を得ました。自由記述(Q6およびQ7)を見ますと,井上氏のご講演の他,今回は当会会員である色弱当事者による体験談に共感を寄せる声も多く, 色弱者と一般色覚者が互いの色覚をより深く理解し合うための場づくりを進めたいと,改めて感じる機会ともなりました。アンケート全体の集計結果は,添付の資料:「第12回CUD勉強会『色弱の幼児の対応とカラーユニバーサルデザイン』アンケート集計結果報告」をご覧ください。
最後になりましたが,参加いただきました皆様,開催にあたりご協力いただきました全ての皆様に感謝し,御礼申し上げます。